森村泰昌さんと杉本祐子さんの個展などを銀座でハシゴして

 先週の木曜、銀座のいくつかのギャラリーなどを自転車でまわった。
 
 

 最初に訪れたのは、銀座の中ではどちらかというと新橋に近い資生堂ギャラリーでの『LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE 森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」』(9/28〜10/25)。バロック期のスペインの画家、ディエゴ・ベラスケス(1599〜1660年)の代表作のひとつ、「ラス・メニーナス(女官たち)」の登場人物を、森村泰昌さんが一人で演じているもの。会場での説明文にも「一人芝居」と書かれたいたので、一人で演じているといってもいいだろう。この絵に描かれた登場人物(ベラスケス本人も登場していてユニーク)をすべて森村さんが演じ、さらに描かれた空間の中からとらえた、さまざまなアングルの作品が全8幕の連作に仕上げられている。この作品は森村さんにとって大掛かりであるため、森村さん自身が客員教授を務める京都芸術大学のスタジオで、学生さんたちと約2週間かけて制作されたという。その制作風景などはこちらの映像で目にすることができる。
 

 

 
 
 次に訪れたギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)では、『長嶋りかこ展 ビットウィンヒューマンアンドネイチャー(BETWEEN HUMAN AND NATURE RIKAKO NAGASHIMA)』開催(10/3〜10/28)。このギャラリーでこれまで目にした展覧会では、過去の作品を集めたものか、会場を想定して新たに制作された企画展が多かったという印象があり、その意味では1階が企画展、地階は長嶋さんのポートフォリオのような会場構成ともいえるが、1階に展示されていたのは、生活に身近な“身にまとうもの”であるという点が、かなり個性的に思えた。つまり、長嶋さんが提案するファッションといってもよく、会場で試着、販売されていた。ラフォーレ原宿などの広告のアートディレクターを務める長嶋さんらしいアプローチととらえることもできるかもしれないが、ブティックのように仕上げられた会場(1階)に意表をつかれた。
 
 

 その後、すぐ近くにあるドーバーストリートマーケット ギンザをのぞく。ここは、川久保玲さんがディレクションするコンセプトストアで、川久保さんのコムデギャルソン グループのブランド以外のショップも入っていて面白い。屋上の神社にお参りもできて、銀座の真ん中に近い場所とは思えない体験ができた。
 

 

 その後、京橋方面へ移動し、ポーラ ミュージアム アネックスの『selfish;yuko sugimoto』(10/4〜11/4)へ。イラストレーターの杉本祐子さんは僕の高校時代の同級生で、3年前に同窓会で再会できたと思ったら、それからほどなくて夭折してしまった。いわゆる画材だけであく、化粧品まで用いて描かれたファッショナブルなイラストを見ていたら、惜しい才能をなくしてしまったという思いがあらためて強くなった。もちろん、個人的にも残念でならないが、優れたイラストレーターを失ったことによる損失も少なくはないだろう。と書きつつ、さまざまな記憶が甦っていて正直つらくなってしまうので、多くは語らないでおく。
 あ、ひとつ付け加えておくことにする。前出の森村泰昌さんの女優シリーズの撮影メイクアシスタントを杉本祐子さんがある時期務めていて、その二人の展覧会が同時期に銀座1丁目と8丁目で開催されているのは、ただの偶然かもしれないけど不思議な巡り合わせに思えた。
(『selfish;yuko sugimoto』大阪展は、中之島デザインミュージアムで11/8〜17開催)
 

 
 
 この日の締めくくりは、京橋のLXILギャラリー(以前のINAXギャラリー)で、妻にすすめられた『中谷宇吉郎の森羅万象貼展』(9/2〜11/23)へ。雪の結晶などを研究し、世界で初めて人工雪をつくる方法を編み出したという中谷宇吉郎の熱心さ、真摯さに感銘を受ける。物理学者であり、俳人・随筆家でもある寺田寅彦に師事したという中谷宇吉郎は文章力にも優れ、岩波書店などから書籍を上梓している。
 LXILギャラリーの書店で読んだ、雑誌『考える人』に掲載された村上春樹の寄稿文や、たまたま目にして手にとった俳優・山崎努さんの『俳優のノート』も興味深かった。同書は、山崎さんが舞台「リア王」に出演するまでを日記形式で綴ったもので、俳優とは何か、演技とは何ぞや、といったことへの山崎さんなりの考えがしるされているといっていいだろう。文庫版の解説は香川照之さんが書いていて、俳優なら必読、俳優でなくても読むべきだというように熱く語っている。
 

杉本祐子さんの作品集のデザインはグルーヴィジョンズ。嶽本のばらさんのショートストーリー「クウィーン・スカル」所収。
 

 
 


Comments

“森村泰昌さんと杉本祐子さんの個展などを銀座でハシゴして” への7,014件のフィードバック

  1. Brentsterbのアバター
    Brentsterb

    Allow me to tell you something nearly all septic companies won’t: there are two kinds of people in this reality. Those who assume septic systems are simply “underground boxes for waste,” and those who’ve had raw sewage bubbling into their backyard at 2 AM. I discovered this reality the difficult way in 2005—standing in sludge, trembling in a Washington rainstorm, as my siblings and I aided a veteran installer restore our family’s collapsed system. I was 14. My hands ached. My jeans were ruined. But that evening, something clicked: This ain’t just dirt work. It’s families’ lives we’re protecting.
    Here’s the harsh truth: most septic companies just service tanks. They’re like band-aid salesmen at a chainsaw convention. But Septic Solutions? They are different. It all started back in the beginning of the 2000s when Art and his family—just kids hardly tall enough to shoulder a shovel—aided install their family’s septic system alongside a grizzled pro. Visualize this: three pre-teens waist-deep in Pennsylvania clay, understanding how soil porosity affects drainage while their peers played Xbox. “We never just dig holes,” Art shared with me last winter, hot coffee cup in hand. “We learned how ground whispers mysteries. A patch of marsh plants here? That’s Mother Nature shouting ‘high water table.’”

    https://www.designspiration.com/voadilssxt/

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