馬喰横山での打ち合わせの帰り、妻と娘が昨日立ち寄ったと言っていた、赤々舎を訪れた。
深川資料館通りを東京都現代美術館の方向へ進み、デイリーヤマザキの手前を左折すると、細い道に面し、赤々舎はあった。最初は、ほんとにこんなとこにあるのかなと思ったが、赤い旗が出ていたので、ここに違いないと確信した。
ビニールののれんのようなものが前面にかかっていて、それをくぐって入ると、フロントのような机や、写真集で埋まった書棚などが目に飛び込んでくる。その奥に、スパンコールの付いた幕があっただろうか、そこをまたくぐるとギャラリースペース。
ドラッグクイーンたちをスチールにおさめた、畑智章さんによる写真展“THE NIGHT IS STILL YOUNG”は、きらびやかな衣装をまとい、艶やかメイクをし、生き生きしたドラッグクイーンたちが撮影された作品が並び、ダンスミユージックが鳴っている。
僕が最初に買った洋楽レコード『ザナドゥ』(オリビア•ニュートン•ジョン&E.L.O.)のタイトルチューンもかかり、「この方、いくつぐらいの方ですか」と後からギャラリースタッフの女性に質問してしまった。選曲は世代を表すこともあると思うので。
スタッフのOさんによれば、僕より歳下のようだったけれど、懐かしいナンバーを何曲も耳にすることができ、なんだかうれしかった。においの記憶ほどではないけれど、音楽も時として、僕たちをいっきにタイムスリップさせてくれる。
畑さんのドラッグクイーンもよかったけれど(赤々舎のウェブサイトで、畑さんはドラァグクイーンと書いている)、『浅田家』の浅田政志さんの写真集『NEW LIFE』のサンプルを見ていたら、いつの間にか引き込まれてしまった。政志さんのお兄さんが結婚し、赤ちゃんが生まれ、その子が成長していく様子を、温かくユニークな視点で見守った、というような作品集で、巻末の手紙にもホロリとさせられる。
浅田家の写真は、なんてやさしくて、おもしろんやろ。ちょくちょく笑えて、愛があふれるまなざし。愛情満タン。見ているだけで、こんなに元気にしてくれる写真集を、僕はまだ他に知らない。梅佳代さんが撮る子どもや、じいちゃん、ばあちゃんとも少し違うような気がする(梅佳代さんも好きだけど)。
見ているだけで元気になれて、自分の家族のことも思い出してしまうなんて、どういうことなんだろう。
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