鉛筆画 フォーエバー

 
娘が持っていた鉛筆を借りて、
食卓で絵を描いてみた。

すると、鉛筆が最強の画材に思えてきた。
シンプルなつくりで、
字も書きやすいけど、絵も描きやすい。

美大受験のために、
大阪・茨木市のミヤザキアトリエ
通っていた高校時代をふと思い出した。

同じ鉛筆で絵を描いているのに
絵がうまい人と、そんなにうまくない人がいる。
それだけでなく、鉛筆でキレイな色を出す人がいる。
そのことに驚いた。

O先生や、上手な人が描くと
鉛筆の濃淡の階調がきめ細かく、また、
手(手首を、といういうべきか)を素早く、
力強く動かして描いた線そのものが美しく感じられた。

僕はといえば、描きながら自分で手が画面にこすれて
絵を汚してしまう、
紙の白い部分の清らかさを汚してしまう、そんな
もったいない描き手だった。

今も、絵が上手になったとはいえないけれど、
絵を描く楽しさは、あの当時よりも
大きくなっていると思う。
 

 
 
 

Yasu
  • Yasu
  • デザイナーを経て、クリエイティブディレクター、コピーライター、ライターに。「ベースボール」代表。広告&Web企画・制作、インタビュー構成をはじめ『深川福々』で4コマ漫画「鬼平太生半可帳」連載中。書籍企画・編集協力に『年がら年中長嶋茂雄』など。ラフスケッチ、サムネイル作成、撮影も。