blog (オークラボblog)  運営オフィス baseball
オークラボ.comのロゴ

オークラボ.comのロゴ

「アナログのすすめ」第4回
椿正雄

前回、「ターンテーブルはヤフオクで買え」と書きましたが、再度、
はい、それでは今回はまずターンテーブルの種類についてざっと説明
してみましょう。

ターンテーブルには、その駆動方式により、ダイレクト・ドライブ、
ベルト・ドライブ、リム・ドライブの3種類があります。ダイレクト・
ドライヴ(以下DD)とは、その名の通り、モーターがダイレクトに
ターンテーブルを廻す方式で、ターンテーブルのスピンドルは、そ
の下にあるモーターの軸と直結しています。モーターの回転を一定
に保つサーボ・システムという技術が発達したため、30年くらい前
から主流になりました。リサイクルショップ等で見かけるある程度
しっかりしたターンテーブルのほとんどはこれになります。

それでは、DD方式のターンテーブルはどんな点に注意して選んだら
よいか? 凄く大雑把なオレ的良し悪しの見分け方ですが、それは
「重い方が良い」ということ。経験に基づいた意見ですが、それ
なりの根拠もあります。

DDの場合、いかにサーボ技術が発達したといってもある程度回
転のムラが起きにくい状況が前提として必要で、そのためターン
テーブルを重くし、慣性の法則でそうした状況を作っています。
当然それを廻すモーターにはある程度のパワーが必要で、必然的
に大きさも。大きくなる。つまり、はじめからある程度重いのが
この方式の宿命でもあります。

さて、針とカートリッジはいわばマイクみたいなもなのですから、
なんらかの防止策を取らなければ、レコードの音以外、置いてあ
る台、床からの振動も拾ってしまい、音が濁る原因になります。
DD機は本来すでに重いので、他方式で見られるバネで浮かして
振動を吸収する方法には無理がある。幸い、重いということは、
やはり慣性の法則で、ゴム足などの最低限の装置でもそれなり
の吸震効果が得られる。ならばとことん重くすれば、さらに吸
震効果は高まるだろう。と、わざと重い材料で作られた機種は
比較的高級機、他の機能も推して知るべしである、というのが
オレの意見なわけです。

持ち上げる以外にも、回転を止めた状態でターンテーブルに針
を載せ、周りの部分を指でトントン叩いてスピーカーから出る
音を聴いてみてください。このとき「ドン・ドン」と締まった
音がすれば良し。「ボォ〜ン・ボォ〜ン」と、ぼけたような音
が出るようだとクリアな再生音は望めません。とにかく締りが
あるのがグッド!

また、技術が進んだといっても機構上、ワウ・フラッターが出
やすいのもこの方式の特徴。ストロボ・スコープのブレも忘れ
ずにチェックしましょう。それから、時期的にボタン類もすべ
て電子式になっていることが多い。電子式は壊れると交換する
しかないので、すべて動作が正常か確認しましょう。できれば
なるべくボタン類の少ないほうが好ましいと思います。
(09-12-10)


バックナンバー
「アナログのすすめ」第3回
「アナログのすすめ」第2回
「アナログのすすめ」第1回


椿正雄(Masao Tsubaki)さんのプロフィール

昭和33年東京生まれ。
下北沢のアナログ・レコード店の老舗(開店27年目)、
フラッシュ・ディスク・ランチ」のカリスマ店主(自称)(笑)。
大学生の頃、西新宿のレコード屋でバイトを始めてから
30年以上もレコード屋で働いているものの、
レコードについてのコレクター的知識や相場はいっさい勉強しない!
というモットーのため(理由は面倒だから。仕入れは「勘」でする)、
お店は常時掘り出し物であふれている。

連載「アナログのすすめ」の内容は、すべて実践で得た役に立つ知恵ばかり。
しかも、「金をかけない」がなによりもの大前提であるため、
誰でも簡単に真似できることばかりである。
ただし同じ理由により、大向こうの専門家諸氏からみればまったくの間違いだったり
することもあるかもしれないので、実践は各自自己責任で行うようにとのことです(笑)。



※このコンテンツはもともと、出版社フリースタイル発行のフリーペーパー「シモキタスタイル」で連載されていたものですが、同社と椿さんにお願いし、ここに掲載させていただくことになりました。魅力的な内容だったのと、途中で終わってしまった連載の続きを読みたかったからです。オークラボ.comのための新原稿も、椿さんにご依頼してありますので読者のみなさま、ご期待ください。



書きながら考え、考えながら書くブログ。
「オークラボblog」

広告や企画のことを中心に書くブログ。
blog「オークラホマミキサー」

音声blog「オークラジオ」 (podcast)

published : May 2, 2009
Copyright(c) 2009-2010 the Baseball office


メールは、こちらまでお気軽にどうぞ。
mailto:info@okulab.com


the Baseball office