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「アナログのすすめ」第2回
椿正雄

「ターンテーブルは中古がおすめめ」と書きましたが、
これはターンテーブルが5年、または10年以上経っていても
まともに動く比較的程度のよいものが多いからです。

これは要するに、基本的な機能はただ決まった速度で回るだけ。
それ以外は(多少精密な部分はあるにしろ)錘(おもり)でバランスを
とっていたりとか、ようするにシーソーなどと同じで
ただただニュートン力学ですべてが説明できる「機械」というより「
器械」(動力を持たない装置のようなもの)な部分が大きいからです。

ですから、「物理的にダメージを受けた痕跡がない」こと、
それから「決まった速度で回転する」ことの2点さえチェックできれば、
ちゃんと使えるターンテーブルを購入することはそう難しいことではありません。

ただし、前回も書いたように、だいたい5年以上前に作られた
ターンテーブルの音をちゃんと聞くには、
フォノ(phono)入力のあるアンプ、
あるいはコンポ、またはDJミキサーが必要です。
これらがないと、別途フォノ・イコライザー(通称フォノイコ)
という小さな装置が必要になりますので、
ここまで読んで「あ〜、面倒くさ」と思った方は、
さっさとあきらめて「フォノアンプ内蔵」(またはラインline出力あり)の
新品のターンテーブルを買ってください。

前回、こうした仕様は安価な低級品のみであるかのような書き方をしましたが、
よくよく調べてみると4〜5万円の中級機、またはそれ以上、
10万円前後の高級機にもフォノアンプ内蔵仕様のものは
今ではいろいろと出ているようで、それどころか
「USB対応」でケーブルさえあれば、
なんと直接コンピューターにアナログ音源を取り込める機種まであるそうです。
これなどは、考え方によってはとても便利かもしれません
(ただし、取り込んだ時点でもうアナログ音源ではありませんからね…もちろん!!)。

また、「DJしたいからターンテーブルが欲しい」という人は、
当然、DJ仕様のターンテーブルとミキサーをお求めください。
僕はそこらへん明るくないので、詳しくはその手の雑誌、
またはお店の人に尋ねるなどしてください(笑)。
それでも、なるべく「安く」、そして「コスト・パフォーマンス」の高い
アナログ・ライフを楽しみたいという方は
中古のターンテーブル、必要に応じてフォノイコ、
あるいはフォノ入力のあるアンプも中古で探してみてください!!

それでは、どこで探すのか?
それはリサイクル・ショップ、あるいは質屋さんです。
でも、実はいまどきリサイクルショップでも
意外とターンテーブルは安くありません。
品数がそんなにない割に需要があるからです。
それでは、どこで???
答えはヤフオク、そう、Yahooオークションです!

では、また次回。
(09-07-08)

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「アナログのすすめ」第1回




椿正雄(Masao Tsubaki)さんのプロフィール

昭和33年東京生まれ。
下北沢のアナログ・レコード店の老舗(開店27年目)、
フラッシュ・ディスク・ランチ」のカリスマ店主(自称)(笑)。
大学生の頃、西新宿のレコード屋でバイトを始めてから
30年以上もレコード屋で働いているものの、
レコードについてのコレクター的知識や相場はいっさい勉強しない!
というモットーのため(理由は面倒だから。仕入れは「勘」でする)、
お店は常時掘り出し物であふれている。

連載「アナログのすすめ」の内容は、すべて実践で得た役に立つ知恵ばかり。
しかも、「金をかけない」がなによりもの大前提であるため、
誰でも簡単に真似できることばかりである。
ただし同じ理由により、大向こうの専門家諸氏からみればまったくの間違いだったり
することもあるかもしれないので、実践は各自自己責任で行うようにとのことです(笑)。



※このコンテンツはもともと、出版社フリースタイル発行のフリーペーパー「シモキタスタイル」で連載されていたものですが、同社と椿さんにお願いし、ここに掲載させていただくことになりました。魅力的な内容だったのと、途中で終わってしまった連載の続きを読みたかったからです。オークラボ.comのための新原稿も、椿さんにご依頼してありますので読者のみなさま、ご期待ください。

published : May 2, 2009
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