左を使え、あるいは左右を使え!

 
ボクサーに対するセコンドの声のような
タイトルだけど、そうではなくて。
 
3週間ほど前から近くの公園で、息子と
息子との友達のU君といっしょに朝練をしている。
少年野球チームのコーチから毎日素振りをするように
いわれたため始めたというのがきっかけで、
僕は付き添いというか、ときどき、気がついた範囲で
「体が前につっこまないように」
「手だけでなく、腰で振ろう」「肩を回そう」
「ボールを打つ瞬間だけ、力を入れて、それ以外は
手のひらと指に力を入れないように」
といったことをアドバイスしている。

といっても、ほとんどが、
他のコーチや野球の指導書のようなもので
読んだものの受け売りなのだけど、
ビデオに撮ったり、鏡に映したりしないかぎり
自分のフォームは見えないなので、
ちょこちょこ声をかけるようにしているのです。

子どもたちが素振りをしてている間、
僕はじっと見ていることもあれば、自分もバットを
振ったり、あるいは持っていったサッカーボールで
リフティングをすることもある。

今朝は、ドッジボールでリフティングをするうち
(左右の足でほぼ交互に蹴って連続20回弱だった)、
先日、少年野球チームのKコーチが練習の合間に
やっていたことをふと思い出した。

それは、ボールを3つ使った
ジャグリングのようなもので、僕はボール2つを
使った右手だけで行うジャグリングのようなことは
どうにかできるものの、ボール3つを使った
両手のジャグリングはできないので、
Kコーチがやっていたことを頭の中で思い起こし、
こんな感じの動きだったかな、とやってみた。

右手でボールAを(左手の方向へ)ふわりと上げ、
その直後に左手でボールB(右手の方向へ)上げ、
その後、右手でボールAをキャッチする前に
 右手でボールCを(左手の方向へ)上げる……

というような動作を繰り返すのでないかと、
頭の中で自分の動きをイメージしながら
何度かやってみたら、ほんの少しだけ
両手ジャグリングらしきものができた。

途中、僕は頭の中で、YouTubeで以前に見た
ジャグリングの映像も思い出していたような気がする。

このとき、今までまったくできなかったことが
少しだどけできた、という喜びを感じたと同時に、
僕はなんだかよくわからない快感につつまれた。

いや、快感につつまれた、
というのは大げさに思われるかもしれないけど、
頭の中がスッとしてというか、
クリアになる感じがしたのです。

この感じ、僕の記憶を掘り起こせば、
ウクレレやギターを弾いているとき、
ピアノで音を出しているとき、
スケッチブックに絵を描いているとき、
iPhoneやiPadでアプリを用いながら
指で絵を描いているときに近い感じだった。

もしかしたら、両手ジャグリングに挑戦し、
利き腕の右手だけでなく、左手もほぼ均等に
使おうと試みていたため、脳がというか、
右脳が(かな)喜んだのかなぁ。

脳の仕組みについて、僕は詳しいわけではないけれど、
「文章を書く」以外のことをしたとき、ときどき、
こういう気分になるのです。

コピーライターを生業にしていることもあって、
文章を書くことは少なくないし、
論理的に考えなくてはならないと
普段は(無意識に)自分を制御しているのだろうか。

左右の手でジャグリングというのも、
絵を描いたり、音楽を奏でたりと同じように
右脳を活性化させるものなのかな。

ちなみにたった今、インターネットで
「右脳 左脳」と入力して検索してみると、
右脳 (感覚/直感/イメージ)
左脳 (論理/分析/計算)
というような言葉が見つかる。

頭や身体が疲れていると思う人は、
左手をいつも以上に使ったり、
落書きでもいいから何かを描いてみたり、
音を出せるのなら音を出してみたり、
そんなことをしてみると、右脳が刺激され、
左脳がほぐれて(脳がほぐれるというのは
おかしな表現かもしれないけど)、
頭が少しスッとしたり、リフレッシュできたような
気分になるのではないかなぁ、と僕は思える。

「左を使おう」または「左右をバランスよく使おう」。
ちょっとした提案です。
よかったら、やってみてください。

(オークラボ・コラム4)
 
 
 

Yasu
  • Yasu
  • デザイナーを経て、クリエイティブディレクター、コピーライター、ライターに。「ベースボール」代表。広告&Web企画・制作、インタビュー構成をはじめ『深川福々』で4コマ漫画「鬼平太生半可帳」連載中。書籍企画・編集協力に『年がら年中長嶋茂雄』など。ラフスケッチ、サムネイル作成、撮影も。

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